2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸化チタン-金属ナノ粒子系材料が示す多色フォトクロミック現象の解析及びその応用
Project/Area Number |
05J05449
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松原 一喜 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 銀ナノ粒子 / 表面プラズモン共鳴 / 多色フォトクロミズム / 酸化チタン単結晶 / 光触媒還元反応 / 光電気化学 / 原子間力顕微鏡 / 光誘起形態変化 |
Research Abstract |
近年、我々は光触媒還元反応によりAgナノ粒子(AgNP)を担持させた褐色のナノポーラス酸化チタン(Ag-TiO_2)膜が、様々な色調の単色可視光照射により照射光とほぼ同様の色に着色し、紫外光照射により可逆的に元の褐色に戻すことができるといった多色フォトクロミズムを示すことを見出した。現在のところ、この発色機構にはプラズモン共鳴吸収により励起されたAgNPの電子が直接、あるいはTiO_2を介して酸素に奪われることでAgNPがAg^+に酸化される過程が重要であることは分かっているが、実際にAgNPが膜内でどのような形態変化を生起しているかは不明であった。そこで本研究では、Ag-TiO_2材料に関する詳細な反応機構解明と発色特性等の機能性の向上・制御という2つの観点から、AgNPをTiO_2単結晶表面上に光触媒析出させ、その単色可視光照射による形態変化をAFMにより直接的に観察することを目的とした。平成19年度は、フォトクロミック現象に対する相対湿度の影響について調べ、本現象にとってTiO_2単結晶表面上でのイオン伝導性が重要な役割を果たすことを明らかにした。これにより、本フォトクロミック現象が光電気化学的機構によるものであることが裏付けられた。また、これまでに得られた結果、及び知見を元に、光照射等の処理に工夫を加えることで(紫外光と可視光を同時に照射)、AgNPの形態をより明確に制御し、TiO_2単結晶上でもより鮮明な発色を得ることができた。これらは、当初に期待した以上の成果である。以上の結果に関して、国内外を問わず多くの学会にて発表しており、さらに英文誌にも投稿中(査読中)である。
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Research Products
(7 results)