2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J05455
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
田邉 里枝 長岡技術科学大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 単発放電 / 微細自己形成現象 / イメージング / メカニズム |
Research Abstract |
直径100μmの細線電極と加工物との間にパルス幅が数百μsの電圧を印加して単発放電を起こすと、電極先端に直径20μm程度の微細軸が瞬時に形成される。接触検知回路を作製し、放電前の極間距離の白動制御を可能にした。従来の手動による極間距離の調整と比べて、安定して放電が飛ぶようになった。 発振周期を100kHzまで変えられるレーザーを用い、最速1万コマ/sで撮影可能な高速度ビデオカメラを一時的に借用し、16μsの間隔で連続撮影が可能なイメージングシステムを構築した。パルス幅が数百μsの1回の単発放電において100枚の連続画像を得た。 シュリーレン撮影法により連続撮影したところ、溶融部が移動している全時間帯にわたって溶融部を押し上げるような密度差の影(気流)は観察されなかった。また、微細軸は放電終了後に形成されるので、放電中の電磁力による作用によって形成されるわけではないことが示された。放電終了時の撮影画像から、電極先端の溶融部の質量を求め、それが全て液体であると仮定し、それに対する重力の影響と表面張力の影響をそれぞれ求めると、表面張力のほうが3桁大きくなった。したがって、重力の影響はほとんど無視でき、以上の4つのうちでは表面張力が溶融部に作用する主な力であると結論した。 また、溶融部は、放電中および放電終了後数百μsの間、等速度で移動していることがわかった。溶融部上端位置までの電極が完全に溶融し、表面張力により球体になって電極先端にあると仮定し、その重心位置の移動速度を求めると、実際の溶融部の上端位置の移動速度とほぼ等しくなった。これらの結果は、溶融した電極は、放電中に表面張力により球体に変化しつつ上方へ移動し、その慣性により放電終了後も電極表面を後退移動したことを示している。 連続撮影を試みることにより、微細軸白己形成現象について、そのメカニズムを解明することができた。
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Research Products
(1 results)