2005 Fiscal Year Annual Research Report
培養によらない微生物の機能解明-シングルセルレベルでの機能遺伝子検出技術の開発-
Project/Area Number |
05J05464
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
久保田 健吾 長岡技術科学大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Fluorescence in situ hybridization / Tyramide signal amplification / mRNA / two-pass TSA-FISH法 |
Research Abstract |
Fluorescence in situ hybridization(FISH)法は、培養によらず特定微生物を特異的に検出できる。特にrRNAを標的としたFISH法は、rRNA遺伝子配列に基づいた分子系統学的同定が可能なことから広く用いられている。しかしながらrRNA遺伝子情報からは、微生物の機能に関する知見を得ることは難しい。一方、ある特定の反応(微生物機能)に関与しているタンパク質をコードしているmRNAを検出することは、微生物機能を推察する上で非常に有用な情報となるが、蛍光標識プローブを用いたFISH法では感度が低く、mRNAの検出は困難である。そこで本研究では、培養によらずに微生物の機能を解明するために、mRNAを検出可能なFISH法の高感度化技術について検討を行った。さらにはその技術を用いて染色体上に保存されている遺伝子の検出を試みた。 FISH法のシグナルを増幅する技術として本研究でtyramide signal amplification(TSA)に着目した。西洋わさびペルオキシダーゼを標識したオリゴヌクレオチドプローブを用いてTSA反応によるシグナル増幅反応を行うTSA-FISH法を用いてmRNAの検出を試みたが、得られるシグナルは弱く、信頼のおける検出ができなかった。そこでより高感度検出が可能なtwo-pass TSA-FISH法を原核生物に適用するために最適化し、検出を試みたところ、非常に強いシグナルを得ることに成功した。 次にハプテンをマルチラベルしたポリヌクレオチドプローブとtwo-pass TSA-FISH法を用いて、微生物染色体に保存されている遺伝子の検出を試みたところ、シグナルを得ることに成功した。しかしながら非常に強いバックグラウンドシグナルが得られること、混合系に適用すると若干ではあるが非特異的なシグナルが得られるなどの解決しなければならない問題を抱えている。 来年度はこれらの問題について検討を行うとともに、プローブを標的分子に効率的に交雑させる方法について検討を行い、FISH法を用いた微生物の機能解明の技術基盤を構築していく。
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Research Products
(5 results)