2006 Fiscal Year Annual Research Report
温度感受性受容体に働く食品成分の探索とエネルギー代謝への作用の解析
Project/Area Number |
05J05490
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
岩崎 有作 静岡県立大学, 大学院 生活健康科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | TRPV1 / capsaicin / 体脂肪蓄積抑制 |
Research Abstract |
(1)スパイス中のTRPV1賦活成分の探索 41種のスパイスをヘキサン、酢酸エチル、メタノールで抽出したものを試料とし、これらのTRPV1活性をTRPV1発現HEK293細胞を用いて検討した。その結果、いくつかの試料にTRPV1活性が確認された。それら活性成分を単離するまでは至らないものの、TRPV1活性の報告されていない化合物の可能性が高い。 (2)食品中から同定した新規TRPV1賦活成分'X'類縁体のTRPV1への作用 小麦粉やタマネギ、ミョウガよりTRPV1賦活成分として単離、同定したXはアシル基を有し、そのアシル基の炭素鎖長の違いによるTRPV1活性の変化を調べた。炭素鎖長が8〜12で強いTRPV1活性が確認され、それ以上・以下の炭素数では活性が減少した。長鎖炭化水素に不飽和結合が導入されたものでは、中鎖のものと同定のTRPV1活性が見られた。また、これら化合物のTRPV1活性に重要な役割をしていると思われる分子を発見した。現在、この分子のTRPV1活性化機序への関与を追求している。 (3)食品中から同定した新規TRPV1賦活成分'X'のマウス脂肪蓄積抑制効果の検討 TRPV1の活性化は交感神経の活性化によりアドレナリン分泌を促進させ、体脂肪の蓄積を抑制する効果があることが、トウガラシのカプサイシンの研究から明らかである。そこで、昨年度同定した辛味のない新規TRPV1賦活成分'X'を肥満を誘発する高脂肪食に添加し、マウスに1ヶ月摂取させた時の体脂肪蓄積抑制効果を検討した。X添加職群は、対照群と比較して、内臓脂肪の指標である精巣上体脂肪を有意に減少させた。今後、この効果がTRPV1を介した効果であるか、作用メカニズムを追求する予定である。
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Research Products
(3 results)