2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本における血友病と血友病者の生活史の解明およびそれに付随する課題の考察
Project/Area Number |
05J05683
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
北村 健太郎 立命館大学, 大学院先端総合学術研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 血友病 / 「神聖な義務」問題 / 患者運動 / 全国ヘモフィリア友の会 / Young Hemophiliac Club / 血液凝固因子製剤 / 医療費の公費負担 / 身体 |
Research Abstract |
当初の平成18年度の研究計画通り、1年間のほとんどを博士論文執筆に費やして、課程博士学位請求論文「日本における血友病者の歴史--1983年まで」を書き上げた。審査の結果、2007年3月31日付で博士(学術)を授与された。 博士論文の一部は、論文「血友病者から見た「神聖な義務」問題」として、2007年3月刊行の『コア・エシックス』vol.3に掲載された。 論文以外の(研究)活動としては、依頼原稿1本の執筆と学会報告2回を行なった。依頼原稿は、2005年に引き続いて、東京にある血友病患者会「むさしのヘモフィリア友の会」からの依頼である。今回は、血友病児の年齢と病態の変化の関係及び血友病児の社会参加についての原稿を執筆した。この「血友病は成長とともに楽になる」は、『むさしの会通信』第30号(2006年11月)に掲載された。学会報告は、2006年5月14日、同じ研究科の川口有美子とともに「麻痺し、麻痺しゆく身体のポリティクス--在宅重度障害者の実態とニーズ調査から」と題して、第32回日本保健医療社会学会大会(於:立教大学 第5部会「病いと文化」)で共同報告を行なった。また、2006年10月28日、第79回日本社会学会大会(於:立命館大学「福祉・保健・医療(1)」)で、「Young Hemophiliac Clubの結成とその軌跡」と題する単独報告を行なった。 また、今は成果として表れていないが、研究協力者とのラポール維持に努めると同時に、血友病をめぐる最新の動向を探るために「第4回患者様と医療者との血友病診療連携についての懇談会」に出席するなど、今後の研究に向けての活動を続けている。 平成19年度は、現在入手できている資料をさらに精査するとともに、難病政策、リハビリテーションなどの血友病に隣接する問題系にも視野を広げ、研究の深化拡張に努めていきたい。
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Research Products
(1 results)