2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J05701
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
吉岡 貴子 立命館大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 河海抄 / 和歌知顕集 / 詞林采葉抄 / 四辻善成 / 二条良基 / 由阿 / 光源氏一部連歌寄合 / 原中最秘抄 |
Research Abstract |
本年度は、中古文学会関西部会6月例会において「『河海抄』における「伊勢物語」引用について」という題目のもと口頭発表(単独)を行い、自身の考えを今までよりも多くの方々に周知する機会を得ることができた。加えて、自身の研究をどのように社会に還元していくのか。その手法についても、新たな見識を得ることができたと考えている。「中古文学」第79号(2007年5月発行予定)に掲載される拙稿「『河海抄』と『和歌知顕集』-「伊勢物語云」の意味するものとは何か」は、そうした学会活動を通じて自身の研究が迎えた新たな展開の一成果と捉えている。 現在は「つるばみのきぬ」という寄合語の本説をめぐって、二条良基周辺の万葉学と源氏学の鬩ぎ合いを読み解いていっているところである。この考察内容も論文にまとめ、投稿する予定である。また、この考察を通じて室町初頭の万葉学の実態を把握する必要性を再認識し、現在、『詞林采葉抄』や『拾遺采葉抄』等の諸本収集や索引の作成など、基本的な情報収集と整理作業を進めている。 研究の基盤としている源氏学に関しては、昨年度考察を加えた源氏物語巻名和歌全体に考察を加え、そのレトリックや文学性の高さについて考究しているところである。また、源氏物語注釈書『河海抄』については、個別の注釈記述を「連歌」・「伊勢物語古注」・「万葉集古注」・「先行源氏注釈」との関連性から深く読み解くと同時に、そうした注釈箇所を手がかりとしながら諸本異同の調査を進めている。
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Research Products
(1 results)