2005 Fiscal Year Annual Research Report
機能性ナノ粒子の創製とナノ領域における特異物性に関するボトムアップ的研究
Project/Area Number |
05J05711
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
車田 真実 立命館大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ガス中蒸発法 / 透過型電子顕微鏡法 / 赤外吸収スペクトル / 相転移 / ナノ粒子 / 酸化物 |
Research Abstract |
(1)WO3、MoO3などReO3(酸化レニウム)タイプ酸化物において、サイズの減少とともに構造の対称性が向上することを明らかにした。ガス中蒸発法において、粒子生成時のガス圧をコントロールすることにより、様々な平均粒径をもつサンプルを作成した。透過型電子顕微鏡によりこれらのサンプルの構造を調べたところ、10nm以上ではtriclinic構造、10nm以下ではcubic構造をとることを見出した。また、サイズの低下に伴い粒子の色が黄色から青色へと変化する現象を見出した。これまで、WO2.80といった非化学量論相においてはタングステンブルーと呼ばれる青色を呈することがよく知られているが、今回生成した10nm以下の粒子ではWO3という化学量論相であるにも関わらず青色を呈するということを明らかにした。MoO3においては、構成するMoO6八面体自身のひずみ(異方性)がサイズの低下に伴い解消され、より対照的なMoO6八面体へと変化することをIRスペクトルの変化をシンプルな調和振動子モデルにより近似することにより明らかにした。 (2)アルゴンと酸素の混合ガス中でアルミを蒸発させることによりdelta-Al203ナノ粒子生成できることを明らかにした。また、それらの加熱によるIRスペクトルの変化より転移温度を明らかにした。平均粒径は約50nmであり、このときdelta-theta転移は900℃、theta-alpha転移は1300度であった。delta-theta転移はこれまで報告されているバルクの転移温度よりも約200度程度低いことを見出した。一方theta-alpha転移は加熱による粒子の凝集によりバルクと同程度の転移温度となった。
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Research Products
(4 results)