2006 Fiscal Year Annual Research Report
機能性ナノ粒子の創製とナノ領域における特異物性に関するボトムアップ的研究
Project/Area Number |
05J05711
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
車田 真実 立命館大学, 理工学部, PD
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Keywords | ナノ粒子 / アルミナ / 透過型電子顕微鏡 / 赤外吸収 / 低温プラズマ / 気相法 |
Research Abstract |
1)酸化アルミニウムナノ粒子を低温プラズマ場中で生成し、プラズマを作用させることによりアルミナの構造及び形態が変化することを透過型電子顕微鏡を用いて明らかにした。プラズマ場を作用させないときには球形のデルタ構造を持つアルミナ粒子が得られた。一方プラズマを作用させることによりガンマ構造粒子を作成することができた。 このプラズマ中で生成された粒子の中には正八面体の形態をもつ粒子もみられ、粒子の形態制御として低温プラズマが有用であるという可能性が示唆された。さらに赤外吸収スペクトルの測定により、プラズマ中で生成されたアルミナナノ粒子は表面に非常に活性なラジカルをもち、大気にさらすことにより非常に多くの水分子をその表面に化学吸着できることを明らかにした。 2)ガス中蒸発法において、ナノ粒子生成時の圧力を変化させることにより平均粒径33nmと平均粒径20nmのアルミナナノ粒子のサンプルを作製した。それぞれのサンプルを加熱し赤外吸収スペクトルを測定することにより、各温度での構造の同定を行い、相転移温度のサイズによる違いを明らかにした。これにより平均粒径20nmのサンプルでは、平均粒径33nmのものよりも相転移温度が100度程度低下することを明らかにした。 3)ガス中蒸発法で生成したアルミナナノ粒子の中に双晶粒子、多重双晶粒子が多数生成されることを見出した。多重双晶粒子は金などFCC金属に見られることが有名だが、アルミナのような酸化物イオン結晶において多重双晶粒子が見られたのは初めてである。多重双晶粒子の形態からスピネルの{111}面を双晶面としていることを明らかにした。すなわち酸素のFCC構造の中にアルミイオンが分布している構造をもつスピネル型アルミナにおいて、結晶の成長や形態を考えるときには酸素イオンの振る舞いのみを考えればよいということを実験的に見出した。
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Research Products
(2 results)