2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J05779
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石川 京子 (舟橋 京子) 九州大学, 大学院人文科学研究院, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 抜歯風習 / 中国大陸 / 韓半島 / 先史時代 / 儀礼 |
Research Abstract |
1,最新の論文・報告書に基づく中国大陸先史時代抜歯風習研究のデータ集成を行った。その結果、中国大陸の新石器時代抜歯風習に関してはこれまでの研究通り大文口晩期・龍山文化期を境として成人抜歯風習が衰退しているという点が追認できた。一方で、既存の研究成果と異なり抜歯の起源地が山東地方に限定することはできないという点を明らかにした。加えて中国大陸各地の抜歯風習の分布とその時期について詳述し、抜歯風習は中原以外の周辺民族の風習であるという既存の説に関しても疑問を呈している。この研究成果に関しては日本中国考古学会において発表を行った(舟橋京子,2006年7月:東アジアにおける抜歯風習衰退期の比較研究.日本中国考古学会九州部会.福岡)。 2,韓半島の先史時代抜歯風習研究の総括を行った。その結果、韓半島の無文時時代から古墳時代に関しては低施行率・高施行年齢の抜歯風習が存在していたことを観察資料に基づいて明らかにし、これまでの研究通り服喪を契機とした抜歯風習の可能性が高いことが明らかになった。加えて、日本列島の先史時代抜歯風習との比較から、韓半島においても服喪抜歯が始まっていた無文土器時代のある段階においては既に典型的部族社会からは脱していた可能性が高いという指摘を行った。この研究成果に関しては九州考古学会において発表を行った(舟橋京子,2006年11月:韓半島先史時代抜歯風習について.平成18年度九州考古学会総会.福岡)。 3,日本列島の縄文時代から弥生時代における儀礼の変化と社会変化の関係を明らかにするため、抜歯風習と異なる儀礼において用いられていた土偶と抜歯風習の衰退時期差と社会変化について考察を行った。この研究成果に関してはReconfiguring Prehistoric Figurinesにおいて発表を行った(FUNAHASHI, Kyoko.,2006:Jomon tooth ablation as a ritual practice. Reconfiguring Prehistoric Figurines : A workshop organized by The Sainsbury Institute for the study of Japanese Arts and Cultures and the International Center for Albanian Archaeology. Norwich, U.K.)。
|