2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J05779
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石川 京子 (舟橋 京子) 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 抜歯風習 / 通過儀礼 / 社会区分原理 / 先史社会 / 東アジア |
Research Abstract |
1,中華人民共和国山東大学・大韓民国東亜大学校博物館・東北大学において遺跡出土古人骨の資料調査を行った。なかでも東亜大学校博物館収蔵資料に関しては、未発表の鉄器時代人骨に抜歯の痕跡を発見した。 2,韓半島の先史時代および日本列島の弥生時代・縄文時代における抜歯風習の比較検討を行った。その結果、韓半島からの抜歯風習の影響により、弥生時代の前期以降に地域差を見せつつ抜歯風習の変容が起きていた点を明らかにした。さらに、縄文時代から弥生時代という文化・技術的側面において大きな変化が認められるような時代の画期には抜歯風習の変化が認められないという点を指摘した。一方で、弥生時代の前期末以降には社会発展段階の変化と韓半島からの影響が再度大きくなった事を契機とし、抜歯風習に変化が起きている点を明らかにした。この研究成果に関しては九州史学会において発表を行った(舟橋京子,2005年12月:弥生時代抜歯風習の研究-北部九州・山口地方を中心として-.平成17年度九州史学会考古学部会.福岡)。 3,日本列島における抜歯風習の通時的比較研究を行った。その結果、日本列島の縄文時代後期から弥生時代の西日本の諸遺跡において抜歯風習に見られる社会区分軸にgenderが採用されていたという点を明らかにした。一方で採用された社会区分原理には地域差があったという点についても指摘を行った。さらに、先史社会におけるgender表現の出現と社会変容の関係についても言及した。この研究成果に関してはWorld Archaeology Congress Inter Congress Osakaにおいて発表を行った(FUNAHASHI, Kyoko., 2006 : The change of gender expression from the Jomon to the Yayoi in Japan : as seen from the case study of ritual tooth ablation. World Archaeology Congress Inter Congress Osaka 2006. Osaka, Japan)。
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