2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯周疾患における細胞骨格関連分子を標的とした免疫応答制御法の開発
Project/Area Number |
05J05886
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
讃井 彰一 九州大学, 歯学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 歯周病 / 細胞骨格 / Tリンパ球 / Pyk2 |
Research Abstract |
本研究は、歯周炎における生体防御の破綻に着目し、免疫細胞の高次機能を制御する細胞骨格再構築の観点から歯周炎による歯周組織破壊のメカニズムを解明し、その理解に立脚した新しい歯周治療を確立することを研究課題としている。現在までに以下の成果を得た。 1.前年度に得られた分子の遺伝子断片を伸長した結果、untranslated regionであったため、引き続き重度歯周病患者T細胞株と健常者T細胞株のサブトラクションを行った。そして新たに、焦点接着キナーゼファミリーの非受容体型タンパク質チロシンキナーゼであるproline-rich tyrosine kinase 2(Pyk2)が同定された。しかしながら、リアルタイムRT-PCR法を用いてPyk2の発現を再確認したところ、両T細胞間において差が認められなかった。 2.生化学的解析の目的のため、重度歯周病患者T細胞株を用いてT細胞ハイブリドーマを作製した。このハイブリドーマはTCRβ鎖にVβ5.2を持ち、P.g菌を抗原と認識し増殖することが確認された。そして以下の解析結果を得た。 (1)先で同定された分子Pyk2を考慮し、Immunoblotting法にてPyk2のリン酸化を解析したところ、Pyk2のTyr402のリン酸化が対照である健常者T細胞ハイブリドーマと比較しておよそ10%程度抑制されていた。 (2)その他のシグナル伝達系においてLck、Zap70、CD3ζのリン酸化とCa^<2+>の動員を検討したが、いずれも対照と比較して有意差は認められなかった。 (3)Transwellを使用してケモカインSDF-1に対する細胞遊走性について解析したところ、対照と比較してmigrationがおよそ5%抑制されていた。 (4)アクチンを免疫染色し共焦点レーザー顕微鏡にてT細胞の極性化を観察したが、両T細胞間に違いは認められなかった。
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