2005 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアの生物多様性保全のための雄アリ同定システムの構築
Project/Area Number |
05J05904
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉村 正志 九州大学, 熱帯農学研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | アリ / 雄アリ / 東南アジア / データベース / 同定システム / 国際情報交換:多国籍 |
Research Abstract |
本年度は,3年計画の1年目であることから,前半の半年にアメリカのカリフォルニア科学アカデミーで雄アリを含む膨大な所蔵標本を使ってマダガスカル生息属の雄アリ形態情報を収集した.マダガスカルには東南アジアでは入手しにくい共通属が多く生息し,東南アジアにおける雄アリ検索表作成を大きく前進させた.また,当アカデミーは世界的に著名なアリ類画像データベースを運営しており、その画像作成技術とWeb上での同定情報提供技術を習得した. 後半は,まず東南アジアにおけるアリ研究者のミーティングに参加し,研究発表およびフィールド調査を行なうとともに,東南アジアの研究者らとの交流をもった.国内では主に,これまでほとんど情報が無かった国内所蔵の雄アリコレクションの調査に重点を置いた.東南アジアコレクションを所蔵している鹿児島大学理学部と香川大学農学部を訪問し,それぞれの研究室所蔵のコレクションの中の雄アリ標本の借用およびデータベース化を行ない,同定システム構築の基盤を整備した.今後作成する同定システムのWeb公開の準備として,まずアメリカで得た技術と知識を基盤に,日本で運営する日本産アリ類データベースの改訂に必要な環境および技術を習得し,具体的改訂作業に着手した. 東南アジア産のアリ類の分類学的な整備の面から,日本からインドにまで広く分布するアギトアリの分類学的な検討を継続している.また,鹿児島大学のグループと共に,ハナナガアリ属の分類学的な検討を行ない,その雄アリの部分を担当,まもなく発表する予定.
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Research Products
(1 results)