2005 Fiscal Year Annual Research Report
リーダー行動の生起メカニズムに関する社会心理学的研究-リーダーの自信の効果-
Project/Area Number |
05J05937
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
池田 浩 九州大学, 人間環境学研究院, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | リーダーの自信 / リーダー行動の個人差 / リーダー行動の柔軟性 / 課題の構造化度 / 課題の困難度 |
Research Abstract |
本研究の目的は,リーダー行動の生起メカニズムを解明することであった。このリーダー行動の生起メカニズムにおいて,特にリーダー行動の個人差を明らかにするためにリーダーの自信の機能に着目した。リーダーの自信の機能としては,(1)リーダーが必要と考える行動に着手する可能性の高さ,そして(2)着手可能な役割行動のレパートリーの多さが考えられる(池田・古川,2005)。このような観点から質問紙調査の再分析と実験室実験を実施し,リーダーの自信と行動発現との関係性について検討した。 1.課題の構造化度の違いにおけるリーダーの自信と行動発現との関係(質問紙調査) 質問紙調査において課題の構造化度を操作した検討では,自信の程度はマネジメント志向性,すなわち課題の構造化の程度に応じて相応しいと考えられる行動の選択傾向と関係していることがうかがえた。この結果は,リーダーの自信を保持することが,自らの行動に柔軟性を備えさせている可能性を示唆していた。 2.課題の困難度の違いにおけるリーダーの自信と行動発現との関係(実験室実験) 続く実験室実験によって課題の困難度を操作した検討では,課題が困難になるほど,自信の高さに応じて後続するリーダー行動の発現頻度やパフォーマンスに差異が生じることを示していた。すなわち,高い自信を有するリーダーは,困難な課題においても,必要な行動を発現し,結果として高いパフォーマンスを上げていることが明らかになった。 なお、これらの研究成果は、2006年5月に開催予定の日本グループダイナミックス学会(於:武蔵野大学)や2006年11月に開催予定の日本心理学会等の諸学会で発表を予定している。また、本研究の内容は、博士論文の一部として、九州大学大学院人間環境学府に提出した。
|
Research Products
(2 results)