2005 Fiscal Year Annual Research Report
組識内チームによる安全性創造パフォーマンスに関する実証的研究
Project/Area Number |
05J05939
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三沢 良 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | チームワーク / 安全パフォーマンス / チーム・メンタルモデル / 看護師 |
Research Abstract |
本研究は,組織構成員の安全パフォーマンスを促進するために必要な組織のマネジメントとチームワークについて検討するものである。本年度は,以下の3つの研究を行った。 1.文献研究 医療現場の安全や事故に関する多領域の文献レビュー,SalasやCannon-Bowersらを中心とする組織内チームのチームワークに関する研究,チーム・メンタルモデルに関する理論的・実証的研究の文献レビューを行った。先行研究の知見を整理し,安全パフォーマンスを規定すると考えられる組織レベルおよびチームレベルの要因を同定した。 2.観察および面接による調査研究 医療現場における看護師チームの業務遂行の実状を把握するため,病棟での観察調査を行った。また,14名の看護師を対象とする面接調査も実施した。これらの調査により,看護師が日々の業務の中で直面するチームワークの問題点,対人的な葛藤の問題,組織のマネジメントの問題が把握された。 3.質問紙による調査研究 チームの安全パフォーマンスの基盤となるチームワークの要素をチームの志向性(職務志向性,対人志向性),チーム・リーダーシップ(職務上の指示,対人関係上の配慮),チーム・プロセス(モニタリングと相互調整,職務の分析と明確化,フィードバック,知識と情報の共有)のとして捉え,看護師680名を対象に質問紙調査を行った。統計的分析により,看護師のチームワークを測定する尺度の信頼性と妥当性を確認した。また,看護師のチームワークは,組織レベルの職務遂行システムや評価システムといった制度的環境,職場におけるワークストレッサーから影響を受けることが明らかになった。 これらの研究成果の一部は,日本社会心理学会(於 関西学院大学)や九州心理学会(於 鹿児島大学)で発表した。さらに,得られた知見を整理し,論文として学術雑誌への投稿を予定している。
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Research Products
(3 results)