2005 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス上におけるシリコンゲルマニウム擬似単結晶の創製と薄膜デバイスの超高移動度化
Project/Area Number |
05J06024
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
菅野 裕士 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | シリコンゲルマニウム / 薄膜トランジスタ / 触媒金属誘起固相成長 |
Research Abstract |
本年度は、次世代型ディスプレイとして期待されるシステムインディスプレイの実現を目指し、ガラス基板上に高品質薄膜トランジスタを形成することを目的として、高いキャリア移動度を持つ多結晶Si_<1-x>Ge_x薄膜(0≦x≦1)をガラス軟化温度(〜550℃)以下で形成する手法を検討した。ガラス基板上で、触媒金属を用いて非晶質SiGe薄膜を固相成長すると、低Ge濃度域、及び高Ge濃度域では均一な結晶領域が形成されるものの、中Ge濃度域(Ge濃度:30〜70%)では、結晶形状が樹枝状化してしまい、薄膜トランジスタの形成に適さないとの問題がある。そこで、触媒金属誘起固相成長法に電界印加を重畳し、電界によって触媒金属の膜内移動を制御することで、結晶形状を制御する可能性を検討した。その結果、従来型の触媒金属誘起固相成長では樹枝状成長が優先した試料群(Ge濃度:30〜70%)においても、電界印加(25〜40V/cm)によって、薄膜トランジスタの形成に適した均一な結晶領域(≧50μm)が得られることを見出した。更に、印加電界を非常に高める(≧2000V/cm)と、結晶成長の方向がほぼ完全に電界方向に整列する現象を見出した。これは、高電界により、触媒金属原子の移動方向が電界方向に制限されるために生じたと考えられる。この結果は、結晶成長方向を薄膜トランジスタのチャネル方向と一致させることにより、更に高いキャリア移動度を持つ多結晶SiGe薄膜をガラス上に形成出来ることを示唆する重要な成果である。
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Research Products
(3 results)