2006 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス上におけるシリコンゲルマニウム擬似単結晶の創製と薄膜デバイスの超高移動度化
Project/Area Number |
05J06024
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
菅野 裕士 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | シリコンゲルマニウム / 薄膜トランジスタ / 触媒金属誘起固相成長 |
Research Abstract |
次世代のユビキタス情報化社会を実現するためのキーデバイスである「システムインディスプレイ」の実現を目指し、ガラス基板上に高品質薄膜トランジスタを形成することを目的として、高いキャリア移動度を持つ多結晶Si_<1-x>Ge_x(0≦x≦1)薄膜をガラス軟化温度(〜550℃)以下で形成する手法を検討した。前年度、我々は触媒金属誘起固相成長法を用いてGe混晶比(x)の全領域(0≦x≦1)において非晶質Si_<1-x>Ge_x薄膜の低温結晶化に成功した。しかし、触媒金属誘起固相成長法では形成された多結晶SiGe領域に微量のNiが残留(約0.02%)するという問題があり、薄膜トランジスタ作製時のオフ電流増加の原因となっていた。本年度は、本手法を更に発展させ、「極微量種付け法」の研究を行った。単結晶Si基板表面に形成したピラミッド状の微細突起に触媒金属(Ni)を蒸着し、この基板を非晶質SiGe薄膜に押しあてることにより極微量の触媒金属を非晶質SiGe薄膜に転写した。その結果、全Ge混晶比において種付け点から結晶方位の揃った結晶粒(粒径:約3μm(Si)、約1μm(Si_<0.3>Ge_<0.7>))を任意の位置に形成することに成功した。本手法では、転写される触媒金属は極微量のため、形成される結晶粒内の残留金属を極めて少なくすることが可能となった。更に、Si_<1-x>Ge_x薄膜の触媒金属誘起固相成長法の高度化(電界印加及び熱処理温度の最適化)により、SiGe結晶ナノワイヤの形成を実現した。TEM観察法によりこの結晶ナノワイヤの構造を明らかにするとともに成長モデルを提案した。以上の結果は、単結晶並みの移動度を持つ結晶薄膜をガラス基板上に形成出来ることを示唆するだけでなく、次世代の一次元デバイスの創出へと繋がる重要な成果である。
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Research Products
(3 results)