2005 Fiscal Year Annual Research Report
超音速噴流における衝撃波連成騒音の低減法に関する研究
Project/Area Number |
05J06035
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
權 容ふん 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超音速噴流 / 超音速噴流騒音 / 衝撃波 / ノズルリップ厚さ / ポテンシャルコア / 噴流振動モード / スクリーチトン |
Research Abstract |
本年度には、ノズルリップ厚さが超音速噴流の流動及び音響特性に及ぼす影響について、実験的な研究を行った。本研究で、ノズルリップの厚さを変化させるために、ノズル出口に鉄製反射板を取り付けた。これらの反射板とラバルノズルを無響室内に設置して、シュリーレン法による流れの可視化を行うとともに超音速噴流の中心軸上にピトー全圧管を挿入して超音速噴流の全圧分布を調べ、ノズルリップ厚さが超音速噴流内の衝撃波構造とポテンシャルコアに及ぼす影響を明らかにした。また、マイクロフォンを用いて音響測定を行い、超音速噴流の音響特性を調べた。 本研究で得られた主な研究結果を要約すると、以下のとおりである。 1.ノズルリップ厚さが超音速噴流構造に及ぼす影響(流れの可視化) ノズル出口に反射板を取り付けると、超音速噴流はノズル中心軸に対して、対称振動モードから非対称振動モードに変わる。超音速噴流のせん断層で発達する擾乱と衝撃波構造との干渉によって、超音速噴流の周りに強い音場が形成される。流れの可視化の結果から、ノズルリップ厚さは擾乱の発達に強く影響を与えることが分かった。 2.ノズルリップ厚さが超音速噴流の圧力分布に及ぼす影響(ピトー全圧測定) 衝撃波を伴う超音速噴流の場合、ノズルリップ厚さの増加によって、超音速噴流の中心軸の圧力はより早く減衰される。さらに、ノズルリップ厚さは乱流混合を促進させる。しかし、衝撃波構造の無い適正膨張噴流の場合には、超音速噴流内の圧力分布に及ぼすノズルリップ厚さの影響はほとんど見られない。 3.ノズルリップ厚さが超音速噴流騒音の音響特性に及ぼす影響(音響測定) ノズルリップ厚さの変化によって、スクリーチトンの強さと全音圧レベルは増加する。超音速噴流の音響特性はノズル圧力比だけではなく、ノズルリップ厚さに強く依存することが分かった。
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Research Products
(5 results)