2006 Fiscal Year Annual Research Report
3本鎖認識コードの拡張を目的とする人工ヌクレオシドの創製
Project/Area Number |
05J06059
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷口 陽祐 九州大学, 大学院薬学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 3本鎖DNA / 非天然型核酸誘導体 / 3本鎖形成障害部位 / アンチジーン / 遺伝子標的 |
Research Abstract |
非天然型3本鎖DNAの形成を目指して、ビシクロ型人工核酸(WNA:W-shaped nucleoside analogues)の芳香環部分を種々に変換した新規WNA誘導体の合成を行った。これまでの結果を踏まえて、芳香環部分の大きさはベンゼン環くらいか、ベンゼン環に置換基を有するぐらいの大きさが適当であることを考慮して、新規WNA誘導体の分子設計を行った。設計した人工核酸を有機合成して、3本鎖形成オリゴヌクレオチドに導入し、3本鎖形成能の評価をゲルシフトアッセイにより評価した。合成した化合物の中で、芳香環部分にピリジン環を有するWNA-βT誘導体が、親和性は弱いものの全ての配列でミスマッチサイトであるTA塩基対を比較的選択的に認識した。このことにより、完全では無いが認識の一般性を有するWNA誘導体を見いだすことに成功した。また、メチル基を有するWNA誘導体を含んだオリゴヌクレオチドが3本鎖DNA形成能と、2本鎖DNAへのクロスインベージョン能を有することが明らかとなった。この鎖交換反応は非常に早く起こり、WNA誘導体を含むオリゴヌクレオチド(3本目の鎖)が2本鎖DNAに作用すると、2本鎖DNAがはがれ、それと同時に3本目の鎖とピリミジン鎖とがパラレル型2本鎖DNAを形成する。その後、プリン鎖と相互作用して3本鎖DNAを形成していることが明らかとなった。また、渡米先の研究室において、新規認識塩基の分子設計および合成を行い、人工的に合成した核酸誘導体をオリゴヌクレオチドに組み込むことにより、グアニンあるいはアデニンを選択的に認識する人工塩基の開発に成功した。
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