2005 Fiscal Year Annual Research Report
有機低分子ゲルの準安定状態を活用した熱刺激によるエネルギー変換素子の開発
Project/Area Number |
05J06066
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河野 慎一郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超分子化学 / 分子組織化学 |
Research Abstract |
1.緒言 サーモクロミックな特性を持つ色素は、自己集積部位の特性に応じた共役構造のコンフォメーション変化によって光の吸収を制御できるため、この特性を利用した機能性材料の開発が期待されている。本研究では、「熱」という刺激を引き金として、光学的性質と粘性を同時に変化させるソフトマテリアルの開発を試みた。 2.実験および結果 (1)オリゴチオフェンを基体とした低分子ゲル中を開発し、その自己集積現象によって生じた低分子ゲルが熱によって可逆的にゾル-ゲル相転移を生じると共に色調をも変化させることを見出した。また、オリゴチオフェンの長さの異なるゲル化剤を系統的に評価し、一般に評価法に乏しいゲル化剤としての特性を数値化して評価した。(Chem.Eur.J., 11,4735(2005))。 (2)半導体性のTTFを基体とする低分子ゲルを開発し、それらが自己集積してできる繊維状会合体が導電性を示す混合原子化状態を作製する手法を行った(J.Am.Chem.Soc, 127,14980(2005))。 3.総括 本研究では、機能性部位を導入するゲル形成促進部位に導入するという事前設計に基づいた手法によって、新しい特性を持つ機能性ゲルの開発を行った。これらは、光学的性質を変えるマクロなゲルとしての評価と共に、導電性のワイヤーとしてみるミクロな分子組織体の評価を検討した。
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Research Products
(3 results)