2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J06068
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河村 健司 九州大学, 大学院工学研究院, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 遺伝子治療 / 遺伝子キャリア / 細胞内シグナル伝達 / カスパーゼ / 刺激応答性ポリマー |
Research Abstract |
第一に、細胞内カスパーゼ3シグナルに応答する遺伝子キャリアとして設計したCPCCtatに関して、主鎖骨格や側鎖ペプチド配列を変更し、このことが遺伝子発現制御に与える影響を無細胞系発現実験により評価した。その結果、合成した各キャリア分子においてカスパーゼシグナルに応答した遺伝子発現の活性化が確認され、本研究の概念に基づくキャリアはフレキシブルな分子設計が可能であることが明らかとなった。また、この成果をJournal of Drug Targetingに報告した。 第二に、治療を指向した戦略として、カスパーゼ3より上流の細胞内シグナルであるカスパーゼ8に応答するCPCCtat-8の合成、及び治療用遺伝子としてアポトーシスを抑制するbcl-2をコードしたプラスミドDNAを利用した。酵素反応による側鎖ペプチド切断実験の結果、CPCCtat-8はカスパーゼ8だけでなくカスパーゼ3にも応答することが明らかとなり、肝炎や神経変性疾患をより早い段階で治療できるキャリア分子として利用できる。また、強力な遺伝子発現を誘導するCMVプロモーターを有するプラスミドにbcl-2を組み込むことにより、in vivoで利用できる治療用遺伝子pcDNA3-bcl-2を作成した。さらに、この遺伝子を利用したアポトーシス抑制の評価としてcell viability assayによる評価系を構築し、治療モデル系の基礎を築いた。 最後に、本研究の概念を感染症治療に応用するためのモデル系としてHIV-1感染細胞で活性化しているHIV-1プロテアーゼに応答する新規キャリア分子AGAGtatを設計した。無細胞系遺伝子発現実験の結果、AGAGtatはHIV-1プロテアーゼにより側鎖ペプチドが切断されることで遺伝子発現を活性化することが可能であり、本概念が感染症治療においても有用な治療法となり得る事を示した。
|
Research Products
(4 results)