2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分裂や器官形成を支配する硫酸化複合糖質-その合成と修飾の研究-
Project/Area Number |
05J06112
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
出嶋 克史 九州大学, 理学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 糖鎖 / 硫酸化修飾 / プロテオグリカン / 線虫 / 上皮細胞 / PAPS / 細胞外マトリクス / RNAi |
Research Abstract |
複合糖質の生物学的素過程における役割、特にその硫酸化修飾の生物機能を明らかにするために、全ての硫酸化修飾に必須な供与体である3'-phosphoadenosine 5'-phosphosulfate(PAPS)の代謝に関わる遺伝子(PAPS合成酵素[pps-1]、PAPSトランスポーター[pst-1,pstl-2,pstl-2]、硫酸基転移酵素[hst-1,hst-2,hst-3,hst-6,cst-1〜cst-25]等)を、線虫C.elegansに対して、網羅的にRNAi法や欠質変異体の単離によって機能阻害を行った。更には、硫酸化修飾全般がどういった生物学的過程に関与するかといった基盤的情報を得るために、PAPS合成酵素に焦点を絞り、その機能解析を行った。具体的には、蛍光融合タンパク質を利用しpps-1遺伝子の発現解析を行い、本遺伝子が線虫において発生を通じて発現していること、上皮細胞など特定の組織において発現することを証明した。また、共同研究にて、本酵素の生化学的特性を明らかにし、pps-1遺伝子を機能阻害して生じる糖質の硫酸化様式の変動を生化学的に調べた。更には、上皮組織や筋肉組織の異常を、様々な蛍光融合タンパク質や抗体を用いて詳細に解析し、硫酸化修飾がこれらの組織の発生に必須であることを明らかにした。また、pps-1欠質変異体は、致死となったが、外来のpps-1遺伝子を導入することでこれを回復させることも示し、pps-1遺伝子が発生に必須であるという確証を得た。
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Research Products
(3 results)