2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分裂や器官形成を支配する硫酸化複合糖質-その合成と修飾の研究-
Project/Area Number |
05J06112
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
出嶋 克史 九州大学, 大学院理学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | C.elegans / 硫酸化修飾 / 糖ヌクレオチド輸送体 / PAPS |
Research Abstract |
本研究は、複合糖質硫酸化修飾の生物機能を明らかにするために、多細胞モデル生物である線虫C.elegansを用いてその関連遺伝子(PAPS合成酵素[pps-1]、PAPSトランスポーター[pst-1,pst1-1,pst1-2]、硫酸基転移酵素[hst-1,hst-2,hst-3,hst-6,cst-1〜cst-25]等)の機能的解析(遺伝子ノックアウト、RNA干渉、遺伝子レポーター解析等)を試みたものである。前年度は、硫酸化の普遍的供与体であるPAPSの合成が及ぼす発生現象をpps-1遺伝子の機能的解析で明らかにしたが、今年度は、pps-1遺伝子の遺伝子阻害によって生じる形態形成の異常を分子レベルで更に詳細に調べ、その結果を国際学会(C.elegans Development and evolution topic meeting #1,June 22-25,2006 at the Univ.of Wisconsin-Madison)で発表した。また、pps-1の解析で得られた情報を生かして線虫の主たる硫酸化糖鎖と考えられるヘパラン硫酸グリコサミノグリカンの合成に関与する遺伝子の一つであるrib-1やrib-2の機能喪失変異体の解析にも携わり、ヘパラン硫酸が線虫の上皮形態形成において重要であることを示すのに貢献した。PAPSトランスポーターの解析では、当初その候補としていたpst1-1遺伝子の解析を中心に行った。その機能阻害と他の硫酸化関連遺伝子群や糖鎖合成遺伝子の網羅的RNAiを行って、その表現型比較から、本分子は硫酸化修飾には関与せず、小胞体の糖鎖合成に密接に関連するらしいということが判明し、現在その関連遺伝子とそれらの機能の詳細を調べた。
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Research Products
(1 results)