2006 Fiscal Year Annual Research Report
植物由来エストロゲン様活性物質による細胞間シグナル伝達を介した免疫調節機構の解明
Project/Area Number |
05J06151
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中谷 真子 九州大学, 大学院農学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | エストロゲン / イソフラボン / 免疫調節機能 / 抗体産生 / エストロゲン様食品成分 |
Research Abstract |
エストロゲンの免疫調節機構における重要性、およびエストロゲン様食品成分であるイソフラボンの免疫調節機構について検討を行った。本研究では、それらが生体内で存在しうる濃度(生理的濃度)領域を基準として行った。これまでに、エストロゲン刺激を受けたマクロファージでは糖鎖分子の1種であるCD34の発現が誘導され、さらにB細胞ではL-seiectinの発現が増加し、2種細胞間の相互作用することが明らかとなった。B細胞に伝達されたエストロゲンシグナリングがどのようにIgM産生調節に関与しているかを検討するため、L-selectinに隣接する細胞内シグナル伝達分子のsrc kinase活性阻害剤を用いて検討した。その結果、エストロゲンによるIgM産生促進効果は阻害剤により抑制され、src kinase familyに属するFAKのリン酸化レベルが亢進されていることが明らかとなった。また、イソフラボンであるgenisteinについてもエストロゲン同様の作用を有するかについて検討した。その結果、genistein刺激した場合においてもB細胞膜上のL-selectin発現の亢進およびマクロファージにおけるCD34発現の誘導が明らかとなった。これらのエストロゲン様活性物質による抗体産生調節活性は10nM〜1μMの生理的濃度で発現することが明らかとなった。 更年期女性のモデルマウスとして用いられる卵巣摘出マウスの免疫調節機能について検討を行った。その結果、卵巣摘出マウスでは、脾臓細胞および腸間膜リンパ節リンパ球による抗体産生能が低下していることが明らかとなった。そこで、genistein(0.5mg/day)を2週間胃内投与したところ、卵巣摘出マウスでの抗体産生能は偽手術マウスのレベルにまで回復したことから、genisteinは更年期女性の健康維持に有効であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)