2006 Fiscal Year Annual Research Report
高分子リグニン酸化能を有するペルオシダーゼの機能解析と細胞壁の構築機構の解明
Project/Area Number |
05J06161
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 慎弥 九州大学, 大学院農学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ペルオキシダーゼ / 細胞壁 / アミノ酸化学修飾 / ホモロジーモデリング / プロテオーム |
Research Abstract |
細胞壁結合性ペルオキシダーゼアイソザイム(CWPO-C)は、通常の植物ペルオキシダーゼでは酸化できないと考えられるシトクロムcなどに対する高分子基質酸化能を有している。本研究ではCWPO-Cの高分子基質酸化能発現機構について調査した。Tyr残基やTrp残基を対象にしたアミノ酸化学修飾法ならびにホモロジーモデリングにより構築した細胞壁結合性ペルオキシダーゼアイソザイム(CWPO-C)の立体構造解析を行ったところ、CWPO-Cはタンパク表面上のTyr74もしくはTyr177を基質の酸化部位として用いることにより高分子基質の酸化を可能にすることを提案した。 また、CWPO-C遺伝子はポプラにおいて恒常的に発現しており、そのタンパクはリグニン沈着が盛んな細胞間層やセルコーナーに局在していることを見いだした。これらの結果はCWPO-Cがポプラの木化に関与することを強く示唆した。 これまでにいくつかの酸性POアイソザイムが木化に関与するアイソザイムとして報告されている。ポプラゲノム上には、相同性の高い酸性アイソザイムが8つ存在することから、Real-time PCRや2次元電気泳動を用いて個々アイソザイムの転写ならびに翻訳解析を行った。その結果、これらのアイソザイムは個々に異なる発現制御を受けていることが明らかとなった。したがって、POは様々な発現特性を獲得することで多様な生理機能を有していると考えられる。
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Research Products
(2 results)