2005 Fiscal Year Annual Research Report
模倣からみた乳幼児の社会的認知発達及び発達的基盤:「自分に似た他者」を巡って
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05J06177
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
實藤 和佳子 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 乳幼児 / 模倣 / 社会的認知 / 発達 / 類似性 |
Research Abstract |
乳児が年長の幼児の方よりも同世代乳児の方を選好することは複数の先行研究で確認されている.これまで申請者らはこの現象に関する実証研究を行い,6・9ヶ月児が3ヶ月齢年上/年下の乳児より自分と同月齢乳児の外見的特徴を選好することを明らかにしてきた.そこで,外見的特徴の中でも対人認知に重要と考えられる顔に焦点を当て,顔刺激のみを提示しても同月齢乳児への選好があるかどうか検討を行った. 対象者とは見知らぬ6・9・12ヶ月児各32名計96名がモデルとして本研究に参加した.パソコンやハードディスクを使用して,これらの刺激に含まれる多大なプライバシー情報を厳密に管理し質の高い刺激を作成・保存した.1平均顔につき8名の顔が平均され,各月齢4種類の平均顔が作成された.平均顔の背景は無地であり,1刺激あたり15秒ずつ提示された.ビデオカメラを用いて刺激を提示した際の乳児の注視時間やバンギング等の身体的反応を録画・分析した結果,6ヶ月児群は,注視時間・バンギングにおいて刺激の主効果はみられなかった.一方,9ヶ月児群は,注視時間・バンギングにおいて刺激の主効果がみられた.9ヶ月児は同月齢である9ヶ月刺激を6・12ヶ月刺激より長く注視し,より多くのバンギングを示した.9ヶ月児は顔情報のみでも同月齢乳児を選好したが,6ヶ月児には難しいことが明らかとなった.この結果から,生後1年目の後半に顔情報から年齢を弁別する能力が発達していくことが示唆された.顔認識に関する感受性は年齢及び顔処理の経験に伴って高まっていくと考えられ,認知神経科学分野からの知見と一致している. これら一連の研究によって得られた知見は,平成16年度までに得られた研究知見とともに多くの国内外の学会で発表を行った.なお本研究の実施に当たっては,乳児の保護者に対し研究の目的及び内容について十分な説明を行い,研究協力についての同意を得ている.
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Research Products
(2 results)