2006 Fiscal Year Annual Research Report
多様化・多元化する社会におけるNPOの教育保障機能に関する研究
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05J06178
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
添田 祥史 九州大学, 大学院人間環境学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | NPO / ボランティア / 識字 / 教育保障 / 学習権 / ボランタリー・セクター |
Research Abstract |
本年度は、自主夜間中学を中心に調査研究を進めた。自主夜間中学とは、公立の夜間中学校の不備を埋めるべく設立された民設民営のボランタリーな組織活動による成人基礎教育保障期間をさす。日本において、成人基礎教育を実質的に担保する重要なセクターであるにもかかわらず、これまで教育学研究においても、NPO研究においても、研究はあまり進んでこなかった。報告者は、採択課題である「NPOの教育保障機能」を解明する上で、重要な検討課題であると考えている。 調査は大きく二つの視点から行った。一つめは、そこで学ぶ人に焦点を当てた調査である。報告者は、すでにある自主夜間中学にスタッフとして参加しつつ調査活動を行って3年目になる。これまで得られたデータから、当の学習者にとって自主夜間中学がどのような場として生活に位置づいているのか、また、識字学習上の課題は何か等を考察した。これらの成果を日本社会教育学会第53回研究大会自由研究発表、九州教育学会第58回研究大会自由研究発表、同ラウンドテーブル報告を行った。二つめは、自主夜間中学という組織に焦点を当てた調査である。子どもを対象にオルタナティブな教育をめざすNPO法人が新たにはじめた自主夜間中学に2週間にわたって、準スタッフとして参加し、聞き取り調査及び参与観察をおこなった。また、自主夜間中学に対して質問紙による全数調査を行った。おそらく、自主夜間中学に関する本格的な実態調奪とレては初めての試みである。これらの成果は、日本NPO学会年第9回次大会自由研究発表において報告した。
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