2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J06193
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松本 詔 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シューアのQ関数 / ヤング図形 / パフィアン / 点過程 |
Research Abstract |
対称関数で定義されるヤング図形の測度の例として、シューアのQ関数から定まるシフトシューア測度の相関関数の、パフィアンを用いた表示を得た。これはすでOkounkovにより得られているシューア測度の場合の自然な類似物である。このシフトシューア測度は、パフィアン点過程と呼ばれる確率点過程として据えられるということがわかった。シューアのQ関数以外の対称関数に対しては、パフィアンの枠組みで据えることができない。それを改善するためには、より拡張された、または類似の確率点過程が必要である。そこで、今回の研究ではさらにαパフィアン点過程を定義した。このαパフィアンは、行列上の関数であり、パラメータαを含む。αが-1のとき通常のパフィアンを与える。またすでに研究されているα行列式の自然な拡張にもなっていることを得た。αパフィアン点過程は、各点での確率測度がαパフィアンで与えられるような点過程であり、その相関関数が再びαパファインで表すことができることを示した。αパファイン点過程で据えられるような、新たな対称関数で定義される測度を得ることはできなかったが、シフトシューア測度の相関関数のパフィアン表示の別証明を得ることができた。この別証明は、線型代数的手法であり、以前に得た証明よりもより初等的なものである。 一方で共同研究により、α行列式から定まる一般線形群の表現についても研究を行った。上述したように、α行列式はαパフィアンの特別な場合と見なせる。α行列式への一般線形群の作用はうまく定義することができ、α行列式から生成される巡回加群の既約分解を記述した。特にα=+1のときはその表現は対称表現となり、α=-1のときは通常の行列式表現、より一般にαが整数の逆数の場合には、既約成分に対応して現れるヤング図形の最長行または列に制限が入るという結果を得た。
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