2005 Fiscal Year Annual Research Report
異方性異種材界面破壊力学とその電子デバイスの強度信頼性評価への適用
Project/Area Number |
05J06200
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永井 政貴 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 界面破壊力学 / 応力拡大係数 / 三次元き裂 / 異方性材料 / 熱応力 / 陽極接合 |
Research Abstract |
本研究は,異方性異種材界面破壊力学の基礎理論を確立し,なおかつ電子デバイスやMEMSなどの微細構造物の強度信頼性評価へ適用することを目的としている.本年度は,主に以下の2点について研究を行った. 1.三次元異方性異種材界面き裂の応力拡大係数解析手法の開発 任意の異なる異方性材料により構成された三次元接合体の界面に存在するき裂の応力拡大係数を簡便且つ高精度に解析する手法を開発した.開発した手法は,移動最小自乗法と経路積分法を併用することで,汎用有限要素法コードの解析結果の節点情報のみを入力データとして解析が行え,使用者の負担を大幅に軽減することを可能にした.また,本手法を幾つかの三次元界面き裂問題に適用した結果,変位外挿法では十分な精度が得られないような粗い要素分割においても,高精度に解析が行えることを確認した.本手法は初めて開発されたもので,今後,複合材料と半導体のはく離防止設計に役立つことが期待される.また,異種材接合でよく問題になる熱応力を考慮した解析が行えるように,開発した手法を拡張した.さらに今後は,脆性破壊でよく見られる高速き裂進展等の動的問題に適用できるよう拡張する予定である. 2.陽極接合の接合界面強度評価 線膨張係数の異なるシリコン単結晶とソーダガラスを陽極接合し,熱残留応力による界面破壊試験を行った.その試験結果に,上記で開発した三次元異方性異種材界面き裂の応力拡大係数解析手法を適用し,陽極接合界面の破壊靭性値を算出した.得られた破壊靭性値と実験観察結果を基に,界面破壊を定性的且つ定量的に評価し,熱応力によるシリコン単結晶とソーダガラスの陽極接合界面の破壊現象を明らかにした.
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