2007 Fiscal Year Annual Research Report
システムLSI向け多機能ハードウェア自動合成技術の開発
Project/Area Number |
05J06203
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
貞方 毅 Kyushu University, 大学院・システム情報科学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 大規模集積回路 / 計算機支援設計 / 動作合成 / システムLSI |
Research Abstract |
多機能ハードウェア自動合成(以降、多機能合成)は、複数のアプリケーションを個別に動作合成するのではなく、性能低下を抑えつつアプリケーション間で共通のデータパスを生成することで全体の面積を削減することを目的とする。この多機能合成問題は、特徴が異なるデータフローグラフ間でより多くの資源共有を行う動作合成問題とみなすことができる。 そこで本年度は、データフローグラフ間で共通な演算パターンに対応する専用演算器を活用することで、資源制約下でより良い性能を実現する解を現実的な時間内で求めることを可能とする動作合成手法を開発した。専用演算器は、積和演算器などの特定の演算パターンに特化して設計された演算器であり、加算器などの基本的な演算器の組み合わせより高性能または小面積に設計される。ただし、専用演算器は特定のパターンに特化されており、基本的な演算器より資源共有に対する柔軟性は低い。よって、専用演算器を活用することは容易ではない。提案手法では、モジュール選択において、ヒューリスティックな指標に基づき演算器の種類を先に限定し使用する数を後で決定することで効率的な解の探索を実現している。実験では、従来の整数線形計画法に基づく手法では現実的な時間内で解けなかったサイズの問題に対し、専用演算器なしの場合と比較して同一の資源制約下で平均16.3%の性能改善を15分以内という現実的な時間で達成した。 提案した動作合成手法を応用して多機能合成システムを開発した。実験では、専用演算器なしでの多機能合成結果に対し、専用演算器の活用により同一の資源制約下で平均30.6%の性能改善を達成した。また、各アプリケーションを個別に動作合成した結果と比較して、面積が1/2の解を僅か平均17.5%の性能低下で実現することを確認した。よって、本研究の成果は多機能合成を実現する有用な技術である。
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Research Products
(4 results)