Research Abstract |
現在,研究者は研究課題の遂行のために,サイロ内粉粒体層の流動現象に関する高精度FEM解析プログラムの開発に重点を置いて研究を行っている.以下に今年度の研究成果を示す.開発にあたり,現有する実験装置の排出口部に傾斜をつけることで,傾斜角度の違いによる流動現象への影響を計測した.得られた結果をもとに,既往の流動モデルを用いてFEM解析を行い,傾斜角度の影響について力学的な考察を行った.本研究の成果は,農業環境工学関連7学会2005年合同大会にて,口頭発表を行っている.内容については講演要旨集pp.96に記載されている.さらに,研究者は,既往の流動モデルでは表現し難かった材料の密度変化を表現するために,流動モデルの拡張を行った.具体的には,流動時に生じる粉粒材料の密度変化を基本的な物理現象として表現するために,下負荷面モデルに基づく流動モデルに,上負荷面の概念を導入し,同材料であれば密度パラメータを与えるだけで,材料の密度変化を表現できるように拡張した.また,振動などによる繰返し負荷によって生じる材料の力学応答が考慮できるように,正規降伏面(従来の降伏面)と下負荷面の関係に,相似中心の概念を導入した拡張下負荷面モデルを,本流動モデルに導入した.本研究の成果は,現在,執筆活動中であり,近く農業機械学会論文集に投稿予定である.また,研究者は本研究課題に関連して,本解析プログラムの金属加工解析への応用についても研究を行っている.解析対象である粒状材料の材料関数を金属材料に置き換えることで,解析を可能にしている.本研究の成果として,溶接学会九州支部例会において,口頭発表を行っている.内容については講演論文集pp.1-10に記載されている.また,農業機械学会九州支部例会において口頭発表を行っている. 最後に,本研究は日本学術振興会の研究助成によって行われましたことを付記し,関係者各位に深く感謝の意を表します.
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