2006 Fiscal Year Annual Research Report
2次元界面におけるメゾスコピックドメインの分散安定性と分子レベル構造解析
Project/Area Number |
05J06215
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
樫本 薫 九州大学, 大学院理学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 界面 / メゾスコピック / ドメイン / 吸着膜 / X線反射率 / X線散乱 / 界面張力 / ハマーカー定数 |
Research Abstract |
溶媒がメゾスコピックドメインに及ぼす効果に焦点をあてるため,油相にペルフルオロヘキサン(PFHE)を採用し,ハイドロカーボン(HC)アルコール(テトラデカノール:C140H)PFHE溶液/水界面吸着膜(Gibbs膜)を昨年度に引き続き研究対象とした.界面張力測定によってすでに得られているマクロなGibbs膜状態シークエンスに基づいて,米国Argonne国立研究所のAdvanced Photon SourceにてX線反射率測定をMark L Schlossman教授の指導のもとで実施した. Cl4OHを含まない純粋PFHE/水界面系と2つの異なる濃度(m_1=30および100μmol kg^<-1>)を持つPFHE溶液/水界面に関して,室温(ca T=296K)でのX線反射率曲線(Fig.1)およびそれをFresnel反射率(R_F)で規格化した曲線(Fig.2)を得た.前者の純粋界面系では測定値のフィッティングから得られる界面荒さは3.4Å程度でおおむねキャピラリーウェーブ理論によるものと一致した.後者のC14OHを含む系については低濃度サンプルで見られないフリンジが高濃度サンプルで見られた.後者に対してフィッティングを行うには界面に1層以上のスラブを想定したモデルを用いなければならず,界面内で電子密度プロファイルに明確なコントラストの違いを生じる吸着膜すなわち凝縮膜が存在することが確認出来た.2層モデルによるフィッティングから得られる炭化水素部分の電子密度は,HCアルコールのヘキサン/水界面吸着膜の場合に比べて大きく,周囲に存在するフルオロカーボン(FC)溶媒がC14OHの凝集度合いを強めていることが明らかとなった.このことはHC-HC間およびFC-FC間における同種間相互作用よりもHC-FC間における異種間相互作用の方が小さいという考えで説明でき,界面張力測定による以前の結果と同様にハマーカー定数を用いた議論と矛盾しない.
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Research Products
(1 results)