2005 Fiscal Year Annual Research Report
金ナノロッドの形状製御技術を駆使した一次元金ナノ配線の構築
Project/Area Number |
05J06228
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西岡 宏司 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 金ナノロッド / 化学還元 / 光照射 / アクションスペクトル / アセトン / 暗反応 / 4級アンモニウム塩 / アニオン性界面活性剤 |
Research Abstract |
本研究の目標は、異方性ナノ粒子(金ナノロッド)の生成メカニズムを踏まえて、基板表面で特定方向に成長する金ナノワイヤーを実現することである。そこでまず未だ不明である棒状の金ナノ粒子である金ナノロッド(NR)の生成メカニズム解明を目指した。我々は以前にアスコルビン酸による化学還元と光(紫外線)照射を組み合わせることにより、均一な金ナノロッド(NR)を再現性良く短時間で調製可能な方法を提案している。本手法では、金ナノロッドの生成プロセスを化学還元による金イオンの還元反応と光照射によるNR形成反応の2つのステージに分割しているため、反応を個々に追跡可能である。そこでまず、後者の光反応について検討を実施した。 NR生成のアクションスペクトルを測定した結果、NR生成反応(光反応)は反応溶液中に含まれるアセトンの光反応によって開始していることが明らかとなった。アセトンの代わりにベンゾフェノンを用いることでもNRの調製が可能であったため、NRの生成反応は「ケトンの光反応」で開始することが確認できた。また光照射を停止後もNRの生成反応が進行することから、アセトンの光反応以後は光を必要としない、いわゆる暗反応によってNRの生成反応が進行することが明らかとなった。 また本研究においてNRはhexadecyltrimethylammonium bromide (CTAB)界面活性剤水溶液中で合成される。CTABを含んだ反応溶液に4級アンモニウム塩、アニオン性界面剤を添加し、混合ミセルのNR生成への効果についての検討を実施した。過剰の4級アンモニウム塩、またアニオン性界面活性剤の添加はNRの生成を阻害することが明らかとなった。NR表面に存在する界面活性剤の吸着膜が、異方性を持った粒子の成長に深く関与していることが示唆された。本研究の成果により、NRの生成メカニズム解明にまた一歩近づいたと考えられる。
|
Research Products
(1 results)