2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J06229
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹林 新二 九州大学, 大学院工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 共役系高分子 / 配列 / 次元 / 亜鉛ポルフィリン / Aligner |
Research Abstract |
本研究は共役系高分子をナノレベルで配列制御できるシステムの構築を目指す。これまで様々ま配列手法が報告されているが、材料への応用に重要とされる高分子の主鎖間の距離をナノレベルで制御できたコンセプトは皆無である。そこで申請者は共役系高分子のナノレベル配列制御の新たな手法として共役系高分子と複数の相互作用部位を有する架橋分子(Aligner)を用いることを提案した。実際にAlignerが共役系高分子を認識部位間隔に配列制御することに成功した。そして次なる展開としてジアミン部位を有するポリフェニレンエチニレン(CP1)の三次元配列制御を目的とし、側鎖に亜鉛ポルフィリンを有する共役系高分子(poly-Aligner)を設計し、ホモカップリングにより合成を行いGPCにより分離精製を行った。poly-AlignerとCP1の集合体に関する知見を得るためにAFM、SEM、TEM測定を行った結果、厚みのある規則的な周期構造を有するモルフォロジーが多数観察された。またより定量的な評価を行うために認識部位を一つ有するdimerと二つ有するtrimerを用いて架橋による効果を検討したところ、dimer・CP1複合体はアモルファスであったが、trimer・CP1複合体は周期構造を有するシートが観測された。この結果はpoly-AlignerがCP1を規則的に配列できることを支持するものである。以上の結果より、poly-AlignerはCP1を三次元配列制御できることが示された。 さらに、本コンセプトを拡張し、配列と次元を制御できるシステムの構築へと展開することを試みた。Poly-Alignerはアミノ基を二つ有する低分子ゲストと錯化すると一次元集合体を、自己集合すると二次元集合体を、そして前述のように高分子ゲストと錯化すると三次元集合体を形成すると期待され、AFMおよびTEM測定によりモルフォロジー観察を行ったところ、低分子ゲストでは単分子レベルのファイバーが、poly-Aligner自身がゲストの場合は結晶性の高い二次元シートが、そして高分子ゲストの場合は厚みのある三次元集合体がそれぞれ確認された。 以上poly-Alignerにより共役系高分子の配列および次元制御に成功した。
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