2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内シグナルに応答する革新的遺伝子発現制御システムの創製
Project/Area Number |
05J06230
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大石 潤 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 遺伝子治療 / 細胞内シグナル / プロテインキナーゼ |
Research Abstract |
本年度はポリマー基本骨格の確立を行った。具体的には主鎖を従来のアクリルアミドからよりコンパクトな複合体を形成するため、Nイソプロピルアクリルアミド(NIPAM)へと変更し、また分散安定性を高めるためにPEG鎖の修飾を行った。この新規ポリマー(NPAK-PEG)はDNAと50nm程度の粒子を形成し、生理条件下で安定性が従来のPAKと比較し飛躍的に向上することがDLSによる粒子径経時測定により明らかとなった。これによりin vivoにおける本システムの応用性が向上したと考えられる。また並行して、複合体の細胞内移行を向上させるためにリガンドとしてRGDペプチドを修飾した新規ポリマーの設計・合成した。主鎖をNIPAM、側鎖に基質ペプチドとRGDペプチドをグラフトしたNPAK-RGDを用い、インテグリンが発現しているHeLa細胞内にて細胞内のPKA活性に応答した遺伝子発現の制御に成功した。一方、従来評価してきたPAK-DNAの細胞内遺伝子発現制御の詳細を検討するために、リン酸化部位のSerをAlaに置換したPAK_Aを合成し細胞内に導入したところ遺伝子発現の有意な回復が見られなかったことから本ポリマーが細胞内PKA活性に応答し遺伝子発現の制御を行うことが強く示唆された。以上の結果は本年度、J.Control.Releaseにて論文発表した。一方PKA以外のシグナルに着目しメラノーマなどで異常亢進が認められているプロテインキナーゼC-α(PKC-α)に応答するポリマーも同様の手法により設計・合成しゲル電気泳動実験によりPKC活性化に応答しDNAがリリースされることを実証した。
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Research Products
(3 results)