2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内シグナルに応答する革新的遺伝子発現制御システムの創製
Project/Area Number |
05J06230
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大石 潤 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 遺伝子治療 / キナーゼ / がん治療 |
Research Abstract |
本年度は前年度に確立した、本システムと肝細胞特異的ナノカプセル(BNC)の複合化を利用し、本システムのin vivoへの応用を試みた。具体的にはPKCα応答性の新規ポリマー(NPEG)/DNA(ルシフェラーゼをコードする遺伝子)/BNC複合体を、HuH-7移植Xenograftマウスの腫瘍へ直接投与し、そのPKCα活性特異的遺伝子発現をin vivoイメージングにより観測した。その結果、PKCαによりリン酸化を受けるポリマーでのみ遺伝子発現が観測された。一方でリン酸化部位をAlaに置換したポリマーや、正常部位での遺伝子発現が見られなかったことからも、本システムによりPKCα活性化細胞特異的、つまり腫瘍特異的に遺伝子発現を制御できることが強く示唆された。この研究成果に関しては、Nano lettersへ投稿準備中である。 さらに前年度、研究過程より新規開発した金ナノ粒子によるリン酸化検出法について、詳細な検討を行った。その結果、本手法が疾病に密接に関与するキナーゼ活性を、極めて簡便に測定できる画期的手法であること、また様々なキナーゼに対する一般性があることを実証した。本手法は考えられる限り迅速な、キナーゼ活性の測定手法であり、今後、阻害剤スクリーニングなどへ応用できる可能性が極めて高いと考えられる。以上の研究成果に関しては、特許申請済みであり、学術論文としてはChemBioChem,8,875-879(2007)、およびAnalytical Biochemistry,373,161-163(2008)に公表済みである。
|
Research Products
(5 results)