2007 Fiscal Year Annual Research Report
非天然ヘムを駆使したシトクロムP450の電子伝達経路解明と高機能変換
Project/Area Number |
05J06239
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原田 勝好 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ヘム蛋白質 / シトクロムP450 / プロピオン酸側鎖 / 再構成 |
Research Abstract |
本研究は、プロピオン酸側鎖の片方を選択的に欠損したヘムを有する再構成P450camを調製し、その構造や酵素活性を詳細に検討することによりシトクロムP450camの機能におけるヘムプロピオン酸側鎖の役割解明を目標としている。 第一電子伝達反応の解析により、6位プロピオン酸側鎖欠損で電子伝達蛋白質Pdxの親和性の低下を観測し、6位プロピオン酸側鎖はPdxの結合部位Arg112と相互作用しPdxの適した結合に寄与していることを明らかにした。また、6位プロピオン酸側鎖欠損によりFe-S結合が不安定化し、不活性なP420体へと変化しやすくなることを見出し、6位プロピオン酸側鎖と周囲のアミノ酸の相互作用がP450camの活性維持に重要であると結論した。 一方、7位プロピオン酸側鎖欠損により基質d-camphorの親和性が大幅に低下し、低スピン種が優勢になることをUV-vis及び共鳴ラマンスペクトルから見出した。それに伴い、ヘムが低スピンから高スピン状態へと変化した後に起こる第一電子伝達過程の大幅な減速が観測され、基質水酸化活性が野性型酵素の約1/50に低下した。結晶構造解析の結果、7位プロピオン酸側鎖欠損により蛋白質外部から基質結合部位へ連なる水分子アレイが観測された。これらの結果より、7位プロピオン酸側鎖とアミノ酸(Asp297、Arg299)との相互作用が、活性中心から蛋白質外部へ水分子を排除するための水分子チャネルのゲートとなり、一方、外部からの水分子の進入を遮断する役割を果たしていることを示した。
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Research Products
(3 results)