2005 Fiscal Year Annual Research Report
電極転写法を用いたフレキシブル有機電子デバイスの作製
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05J06243
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
後藤 武志 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 有機電界効果トランジスタ / 有機FET / 有機半導体 / 移動度 / ペンタセン |
Research Abstract |
前年度までに電極転写法を用いてフレキシブル基板上に有機電界効果トランジスタ(有機FET)を作製する技術を開発し、アモルファスシリコン並の電界効果移動度0.1cm^2/Vsをフレキシブル基板で達成した。さらにフォトリソグラフを用いた微細電極(5μm程度)のフレキシブル基板上への転写に成功した。しかし、チャネル長10μm以下の電極を用いることで、有機半導体/ソース・ドレイン電極の接触抵抗が大きくなりFET特有の短チャネル効果が現われ、有機FET特性が著しく低下した。 そこで今年度の研究として、有機半導体/ソース・ドレイン電極界面の有機FET特性への影響を調べるため様々な金属をソース・ドレイン電極に用い、有機FET特性を測定しフレキシブル有機FET特性向上の指針を得ることにした。 具体的には、有機半導体はペンタセンに固定し、仕事関数の異なるAu、Ag、Al、Mg、Caをソース・ドレイン電極とした。測定は大気の影響を受けないようにデバイス作製から測定まで窒素雰囲気グローブボックス内で行った。ペンタセンのHOMO準位は5.0eVであり、Au電極の仕事関数は5.1eVであることから、接触抵抗は見られず高い正孔移動度を得た。仕事関数が小さくなるにつれ、正孔注入障壁が大きくなり正孔移動度が低下した。Ca電極(仕事関数2.9eV)を用いた場合、Auにくらべ約3桁正孔移動度が低下したが、電子注入障壁が低下し、nチャネルでの駆動が可能となった。このように有機FET特性は有機半導体/電極界面が大きく影響していることが分かった。これらの成果は学術論文にて報告済みである。
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Research Products
(1 results)