2006 Fiscal Year Annual Research Report
疾患モデル動物を用いた食事コレステロール感受性遺伝子の同定とその分子機構の解明
Project/Area Number |
05J06274
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
朝比奈 誠 九州大学, 農学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 食事コレステロール / ExHCラット / コンジェニック系統 / 組み換え体 / Dihc2 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ExHCラットのコレステロール摂食後の血清総コレステロール濃度の著しい上昇を規定する責任遺伝子を同定することである。これまでに、責任遺伝子が存在する領域としてラット第5,14染色体上に遺伝子座(Diet-induced hypercholesterolemia=Dihc1.2)を同定した。(Asahina et al.2005 Journal of lipid research) 昨年度は上述遺伝子座の単一遺伝子座モデルであるコンジェニック系統Ex.BN-Dihc2を作製ため、ExHCラットの戻し交配を次世代個体に繰り返した。そして戻し交配4台目において、Dihc2遺伝子座以外が全てExHCラットのゲノムに置き換わったコンジェニック系統(Ex.BN-Dihc2)を作出し、Ex.BN-Dihc2がExHCラットと比較し、有意に低い血清総コレステロール濃度を示すことを見出した。同コンジェニック系統に更にExHCラットを交配し、Dihc2遺伝視座において組換え体850匹を作製した。そして組換え体の表現型と遺伝子型を解析することにより、Dihc2領域46Mbpを遺伝子18個が存在する3.0Mbpまで限局した。 そして、同領域内に存在する遺伝子のmRNA発現量をExHC, BNラット間で比較したところ、遺伝子Xにおいてのみ、有意な発現量の差を認めた(p<0.01)。以上の結果より私は、同遺伝子がExHCラットの食事コレステロール高感受性を規定する責任遺伝子の有力な候補遺伝子であると結論付けた。
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