2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規な森林機能の開発に向けた分光学的手法による高効率スクリーニングシステムの創製
Project/Area Number |
05J06281
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小斉平 篤 九州大学, 大学院農学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 表面プラズモン共鳴(SPR) / ミトコンドリア / がん / メタボリックシンドローム / アポトーシス / 細胞周期 |
Research Abstract |
初年度に開発した分光型・高感度SPR(表面プラズモン共鳴)法について、装置の感度、測定時間、試薬量の最適化について、測定条件の検討、測定データ解析法の両面から試験を行った。その結果、既に確定されているすい臓がん細胞を用いたアポトーシス誘導物質の評価系について、従来の角度調整型装置に対し、測定時間1時間から30分への短縮、測定試料液量5mLから1mLへのスケールダウンに成功した。 また、アポトーシス誘導物質以外の生理活性物質の評価については、初年度の検討から、SPR法により、細胞内小器官であるミトコンドリアの膜電位変化を検出可能であるという知見を元に、適用可能な生理活性物質の評価を試みた。その結果、脂質代謝活性物質として知られている、市販薬のfenofibrate、および天然物のphytolならびにsesaminについての脂質代謝活性を1時間以内で簡便に評価することに成功した。その成果から、近年問題とされているメタボリックシンドロームの一因である脂肪肝の改善物質スクリーニング法としての展開が期待出来る。 さらに、抗がん作用の一つである細胞周期制御作用を有する物質の評価についても検討を行った。細胞周期制御物質として、がん治療の臨床試験薬のroscovitine、および天然物由来の生理活性等D-alloseを用いて、細胞周期制御能を1時間以内で評価することに成功した。既に成果が得られているアポトーシスの評価系と併せて、がん治療薬のスクリーニング法としての適用拡大が期待できる。
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Research Products
(1 results)