2006 Fiscal Year Annual Research Report
Cdc25Bの分解における分子機構と生物学的意義の解析
Project/Area Number |
05J06282
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
兼森 芳紀 九州大学, 大学院理学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Cdc25A / Cdc25B / MAPK / 細胞周期 / p90rsk / Erp1 / 減数分裂 / ツメガエル |
Research Abstract |
1、本研究員は昨年度、細胞周期制御因子Cdc25AおよびCdc25Bホスファターゼの分解機構を解析し、その成果をPNAS誌に報告した(2006)。本年度は、研究実施計画の通りに解析を進め、ツメガエル卵を用いてCdc25A/Bの分解に関与するキナーゼの同定を試みた。その結果、Cdc25A/Bの分解に、卵減数分裂周期特異的なキナーゼ(経路)であるMos-MAPK経路、中でもERKおよびp90rskが関与することが明らかとなった。以上の研究成果は、国際学会で発表し、現在投稿準備中である。 2、本研究員は本年度、九州大学の井上大悟理学研究員などと共同で、ツメガエルの卵減数分裂期におけるErp1(別名Emi2)タンパクの機能解析を追った。Erp1はAPC/Cユピキチンリガーゼのインヒビターであり、Meta-II(第2減数分裂中期)停止に必須の因子であることが示されているが、それ以外のことはほとんど分かっていなかった。そこで我々はツメガエル卵母細胞を用いて様々な実験を行った結果、Erp1はMeta-2停止だけではなく、MI(第1減数分裂)/MII(第2減数分裂)の転移にも必須であることが明らかになった。この成果は、Developmental Biology誌に掲載されている。また、我々はMos-MAPK経路とErp1に何らかの関係があると考え解析を進めた。その結果、Meta-II停止時において、Mos-MAPK経路によるリン酸化がErp1の安定性や活性の上昇に関与することが明らかになった。これらの研究は、卵減数分裂期にMos→MEK→MAPK→p90rsk→Erp1という経路が成っていることを初めて示したものであり、Nature誌に掲載予定である。
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Research Products
(3 results)