2005 Fiscal Year Annual Research Report
Cdc25Bの分解における分子機構と生物学的意義の解析
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05J06282
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
兼森 芳紀 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 細胞周期 / ユビキチン / チェックポイント / Cdc25A / Cdc25B / SCF^<β-TrCP> |
Research Abstract |
本年度は上記研究課題を含む以下の研究成果をあげ、国際的に評価の高いPNAS誌に論文を発表した。 SCF^<β-TrCP>ユビキチンリガーゼは、基質タンパク質内のリン酸化DSGモチーフを特異的に認識することが知られている。最近、細胞周期制御因子のヒトCdc25Aホスファターゼは、Chk1キナーゼにリン酸化されるとDSGモチーフを介してβ-TrCPと結合/ユビキチン化されることが報告された。しかしながら、ツメガエルCdc25AはDSGモチーフを持っていないにも関わらず、Chk1によって分解が誘導される。これまで我々は、ツメガエル/ヒトCdc25Aは非リン酸化DDGモチーフを介してβ-TrCPと結合することを示している。本年度はさらに、Chk1活性化後のCdc25Aとβ-TrCPとの結合能の増加にDDGモチーフ上流のセリン、スレオニンのリン酸化が関与していること、β-TrCP結合後のCdc25Aのユビキチン化効率にPEST様配列やChk1によるリン酸化が関与していることを見いだした。また、ヒトCdc25BにもDDGモチーフが存在し、β-TrCPにより認識されることが判明した。この時のβ-TrCPとCdc25Bとの結合はCdc25Aとの場合に比べて約3倍強く、これはCdc25BのDDGモチーフ上流の酸性アミノ酸に依存していることが分かった。さらに、Cdc25Bのユビキチン化の効率にも(何らかのキナーゼによる)リン酸化の関与が考えられた。以上のことから、β-TrCPは基質のリン酸化DSGモチーフだけでなく、非リン酸化DDGモチーフも認識することが初めて示された。また、β-TrCPとDDGモチーフとの結合効率に近傍の(陰性電荷を持った)アミノ酸が関与すること、その基質のユビキチン化効率に(β-TrCPとの結合以外に)他の領域やリン酸化も関与することが示された。
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Research Products
(3 results)