2005 Fiscal Year Annual Research Report
アラビドプシスCO2非感受性変異体を用いた気孔におけるCO2センサーの解明
Project/Area Number |
05J06287
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
祢宜 淳太郎 九州大学, 理学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 二酸化炭素 / シロイヌナズナ / 気孔 / 変異体 / サーモグラフィー / 葉面温度 |
Research Abstract |
本年度は、CO_2センシング機構の全体像を理解するために必要不可欠な変異体のスクリーニングを重点的におこなった。約2万個体のm2植物をスクリーニングした結果、昨年度得られた変異体とあわせて、合計11系統のCO_2非感受性変異体cdi(carbon dioxide insensitive)を得ることに成功した。掛け合わせの結果、いずれも独立したアリルであることが分かった。葉面温度の測定を行った結果、高温タイプが6系統で、低温タイプが5系統であった。形態に特徴を持つ変異体は3系統のみ(cdi4,5,11)であり、その他の大半が気孔の機能に特異的に関わる変異体であることが予想される。また、cdi8とcdi10の2系統に関しては優性変異であり、これまで得られた変異体とは異なるタイプのCO_2関連因子が同定される可能性が高い。今後は、アブシジン酸や光に対する応答を詳細に解析することで、各変異体の表現型の特徴を明らかにし、マッピングにより原因遺伝子の同定をおこなう予定である。 また昨年度、変異部位を同定したcdi3変異体の解析も進めた。まず、変異体に推定遺伝子を導入した結果、表現型が回復したことから、相補を確認することができた。次にCDI3タンパク質の発現部位を明らかにするため、CDI3プロモーターでGUS遺伝子を発現させた形質転換植物を作製し、GUS染色をおこなった。その結果、気孔のみ染色された。CDI3タンパク質は気孔特異的に発現し、機能していることが分かった。さらにCDI3タンパク質の細胞内における局在を明らかにすることにした。CDI3タンパク質のC末端にGFPを連結させたタンパク質を発現させた形質転換植物を作製し、表皮組織を観察した結果、細胞膜で強い蛍光が観察された。以上、これまでの解析により、CDI3タンパク質は気孔の細胞膜で特異的に発現しているタンパク質であり、気孔の開閉に重要な役割を果たしていることが明らかになった。今後は、CDI3タンパク質の輸送基質を電気生理学的手法により明らかにする予定である。
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Research Products
(1 results)