2007 Fiscal Year Annual Research Report
陽極酸化ポーラスアルミナの周期特性制御及びフォトニック結晶への応用
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05J06312
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
近藤 敏彰 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科・環境調和・材料化学専攻, 特別研究員(PD)
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Keywords | 陽極酸化ポーラスアルミナ / 陽極酸化 / 3次元周期構造体 / フォトニック結晶 / プラズモニクス / 局在表面プラズモン共鳴 / 非線形光学効果 / 表面増強ラマン散乱 |
Research Abstract |
陽極酸化ポーラスアルミナが有するナノ細孔の規則配列を利用したフォトニック結晶の作製,及び光学デバイスへの応用を目的とした. 本年度は,これまでの検討をもとに作製した金属ナノ微粒子の3次元規則配列構造体のセンシングデバイスへの応用について検討を行った.その結果,作製した構造体は表面増強ラマン散乱(SERS)基板として利用可能であることが確認された.そして,微粒子の配列を適切に制御することでSERS信号強度が最適化されることも確認された. また,3次元フォトニック結晶を簡便に大面積で作製する手法に関する検討も行った.フォトニック結晶とはナノ構造体が光波長程度で規則配列した構造体であり,任意波長の電磁波の伝播を自在に制御可能なデバイスの構成要素の一つとして期待されている.またその作製手法や応用例などに関する研究は活発に行われている.特に可視光を対象としたフォトニック結晶は,可視光の視認性の良さから期待される応用分野は広い.しかしながら,ナノ構造体を精密に3次元規則配列させることは技術的に困難である.このため,簡便に大面積で3次元フォトニック結晶を作製する技術の確立が社会に与える影響は大きいものと考えられる.本検討におけるフォトニック結晶の作製には,前年度までに開発した金属ナノ微粒子を3次元的に規則配列させる手法を適用した.ナノ微粒子が金属の場合は可視光の吸収が大きくなるため,金属酸化物ナノ微粒子の3次元規則配列の形成を試みた,検討の結果,電析により形成されたスズナノ微粒子を熱酸化させることで酸化スズナノ微粒子とし,微粒子が数百ナノメートル間隔で3次元的に規則配列した構造体を得た.酸化スズは可視光に対して透明であることから,本手法で作製された構造体は可視光に対して吸収の少ないフォトニック結晶として活用できると考えられる.
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Research Products
(8 results)