2006 Fiscal Year Annual Research Report
陽極酸化ポーラスアルミナの周期特性制御及びフォトニック結晶への応用
Project/Area Number |
05J06312
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
近藤 敏彰 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | プラズモニクス / フォトニック結晶 / ポーラスアルミナ / 陽極酸化 / コンポジット / Al / 電気化学 / 分光 |
Research Abstract |
平成17年度に引き続き,Alを陽極酸化することで得られるポーラスアルミナと金属ナノ微粒子で構成されたコンポジット構造の幾何構造制御,及び,そのプラズモニックデバイスへの応用について検討を行った,また,Alエッチド箔を陽極酸化するとマイクロメートルオーダーの細孔とナノメートルオーダーの細孔の複合構造体が得られることから,新規的な幾何構造による光機能性の発現を目的とし,Alエッチド箔を陽極酸化することによる光透過性の高い多孔質体の作製手法についても検討を行った. 平成17年度では,Alを陽極酸化することで得られるポーラスアルミナのナノ細孔中にAuナノ微粒子を3次元的に規則配列させる手法について検討を行った.その成果はElectrochemical and Solid-State Lettersにおいて報告した.ナノメートルオーダーまで近接した金属ナノ微粒子間には,入射電場と比較して十分に増強された電場が形成されることが知られている.3次元的にナノメートルオーダーで絶縁されたAuナノ微粒子配列構造には2次元配列構造にくらべ高い電場増強効果が期待できることから,本年度では作製した構造体のプラズモニックデバイスへの応用の一つとして,表面増強ラマン散乱(SERS)への適用を検討した.その結果,Auナノ微粒子の3次元配列構造体に形成された電場の増強効果に基づくSERS信号強度の増強が観察された.今後は,郡速度の遅い"スローライト"をポーラスアルミナのフォトニックバンド構造を制御することで作り出し,金属ナノ微粒子間における光-物質強相互作用空間の形成について検討を進める.また,可視光に対し透明である物質とポーラスアルミナとのコンポジット構造を作製するなどして,簡便に大面積3次元フォトニック結晶を得る手法についても検討を行う予定である. Alエッチド箔は膜面に垂直に配向した直孔(エッチド孔)を有することから電解コンデンサ用電極箔以外にも種々の応用が期待されている.本研究では,Alエッチド箔の陽極酸化による光透過性の多孔性媒質の作製について検討を行った.その結果,Alエッチド箔を適切な条件下において陽極酸化することで光透過性の高い多孔性媒質を得ることができた.この構造体は数マイクロメートル直径のエッチド孔の壁面に対し数ナノメートル直径のナノ細孔が垂直に配向した構造であることから,作製された構造体の表面積は陽極酸化前と比較して非常に広い.また透明媒質体でもあるため,二酸化チタンとのコンポジット化などにより高効率な光触媒の作製が期待できる.また,金属ナノ微粒子とコンポジット化することでプラズモニックデバイスへの応用も期待できる.
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Research Products
(2 results)