2006 Fiscal Year Annual Research Report
X線高分解分光・撮像および多波長観測による星形成領域のX線放射機構の解明
Project/Area Number |
05J06650
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
辻本 匡弘 立教大学, 立教大学理学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | X線天文学 / 星形成 / 希薄プラズマ放射 / X線結像光学 / 多層膜鏡 |
Research Abstract |
課題1「フレアX線プラズマ診断」:すざく衛星XRS検出器の故障により研究目標の達成は困難である。 課題2「非フレアX線多波長観測」:大質量星形成領域に見られる拡散X線放射の理解が深まった。特にその多様性が明らかになった。M17領域をすざく衛星で観測し、拡散放射の最高S/N比の分光データを取得、プラズマ温度・化学組成比を場所ごとに個別に導出した。論文作成中。W49A領域をチャンドラ衛星で観測し、M17領域よりも10倍ほど温度の高い拡散放射があるとの示唆を得た。論文発表。Arches領域のすざく・チャンドラ両衛星の観測データを用い、この領域の拡散成分は非熱的放射であることを確定した。論文発表。 課題3「直入射X線望遠鏡の開発」:大きな進展があった。13.5nm波長で回折限界X線像を取得することが目標であり、主鏡・副鏡を多層膜コーティングすることでX線の反射率高め、また副鏡を可変形状鏡にすることで、光学系のずれを吸収する。X線直入射を実現することが、重要な中間ステップである。本年5月末に米国フロリダ州で開催された国際会議にて、装置開発の進捗状況を発表した。その後、光学系の微調整などを進め、8月に直入射X線像を得ることに成功した。昨年の実験により、レーザー点光源を用いて可変形状鏡を閉ループ制御し、可視帯域での回折限界像を取得することに成功しており、現在は可変形状鏡の閉ループ制御をかけてX線像の改善を模索している。
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Research Products
(5 results)