2005 Fiscal Year Annual Research Report
多次元尺度構成法における3元データ分析モデルの構築とその応用
Project/Area Number |
05J06659
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
中山 厚穂 立教大学, 社会学部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 単相3元モデル / 可変重み / MDS / 3者関係 / 3者間距離 / 視覚化 / 同時購買 |
Research Abstract |
多次元尺度構成法における3元データ分析モデルの一般化と拡張を目的として研究を行い,可変的な重みを持つ単相3元モデルの提案を行った. これまでの研究モデルでは,3点によって構成されている距離のなかで最小の距離を除き,最も短い距離の重みを0,その他の距離に対する重みを1として定義を行っていた.そのため,除かれた距離の対角のとりうる範囲には自由度が存在する.そこで,1つ距離を取り除いていることにより空間内の距離にゆがみが生じているのを是正し,モデルの一般化を行う必要があるといえる.空間内の距離にゆがみを是正するために,新たに提案を行った可変的な重みを持つ単相3元モデルでは,3つの2つの対象間の距離に対する重みを3つの対象間の距離の大小関係に基づいて可変的に変化させるモデルとした.つまり,3つの重みの和が1となるように基準化を行った上で,それぞれの重みが,最も長い距離には大きな値を,最も短い距離にはもっとも小さな値となるように定義を行った. 可変的な重みを持つ単相3元モデルの妥当性の検討を行うため,様々な条件での真の次元数の判定と真の布置の復元が可能であるかどうかを,無作為に発生させた人工データを用いて分析を行った.その結果,真の次元数は判定可能であり,真の布置も復元可能であることが示され,妥当性が示された.また,可変的な重みを持つ単相3元モデルと3点によって構成されている距離のなかでの最小の距離を除くことにより定義したモデルとの比較検討を行った.その結果,データへの適合度が改善し,対象間の関係もより明らかとなっていることが示された.これは重みを一定ではなく可変的にすることによりもたらされた利点であるといえる. 以上の研究成果を日本分類学会,ドイツ分類学会(GfK1)で口頭発表を行った.そして,日本行動計量学会の欧文誌であるBehaviormetrikaに誌上発表のため論文投稿を行った.
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Research Products
(1 results)