2005 Fiscal Year Annual Research Report
フィリピン人の国際移動の「女性化」とその移動過程の分析
Project/Area Number |
05J06669
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
西口 里紗 立教大学, 社会学部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フィリピン / 移動過程 / 国際労働力移動 |
Research Abstract |
1.来年度実施予定の送出国におけるチェーン・マイグレーション(同一地域からの連鎖的移民)の詳細な後付を行うために、本年度は調査計画の前提となる作業仮説の設定のための研究を行なった。具体的には、本研究のテーマである「移動過程」に関する先行研究の整理と、適用可能性についての検討である。特に、チェーン・マイグレーションをより双方向的、かつ広範な視野で捉えた理論として「移民システム」論に注目した。「移民システム」論を検討することで、本研究の仮説、および具体的な調査計画に理論的な枠組を与える作業を行なった。この作業によって得られた見解について、2005年6月に開かれた関東社会学会において自由報告として報告、さらに詳細な検討を加えた内容を2006年3月に『社会学研究科年報』(立教大学大学院)に論文としてまとめ、発表した。 2.インタビュー調査によってより内面的な意識へアプローチするためにより高度なタガログ語の能力を獲得すべく学習をした。 3.日本社会における在日フィリピン人の相対的な位置づけをより正確に把握するために、外国人集住地域におけるフィリピン人以外の多様な外国人の社会環境についての、聞き取りおよび観察を行なった。加えて、在日フィリピン人についての聞き取りを地域を広げて行なった。それにより、日本への入国に関する外国人が使用可能なルートの把握と、滞日生活におけるネットワークの重要性について確認できた。さらに、居住地域の社会環境や政策、または他の在日外国人の生活についての情報を深めることで、在日フィリピン人の生活状況を規定する要因などの特殊性をより客観的に把握できた。
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Research Products
(2 results)