2005 Fiscal Year Annual Research Report
マルチメガバール領域における鉄-軽元素系の超高圧高温実験と地球核への応用
Project/Area Number |
05J06708
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
平尾 直久 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 特別研究員PD
|
Keywords | 地球中心核 / 高温高圧実験 / 金属鉄 / 軽元素 / マルチメガバール |
Research Abstract |
高圧発生装置ダイヤモンドアンビルセル(DAC)と放射光を用いた実験によって,地球中心核の構造および物性を明らかにした.これまでに実施された実験結果は以下のようにまとめることができる. マルチメガバール領域における高温高圧発生技術の開発:マルチメガバール領域(200GPa以上)において,地球中心核の主要構成物質である金属鉄の結晶構造および相平衡関係を明らかにするために,レーザー加熱式DACと放射光を用いた金属鉄の高温高圧X線その場観察実験を行った.圧力210GPa,温度2300Kまで,金属鉄のhcp相が観測され,この相が安定に存在することが明らかになった. 地球中心核領域における鉄ニッケル合金の相平衡関係:鉄ニッケル合金(Fe-10wt.%Ni)の結晶構造と相平衡関係を180GPa,2000Kまで高温高圧X線その場観察によって調べ,鉄に10wt.%のニッケルが加わることにより,hcpおよびfcc構造の鉄ニッケル合金が安定に存在することが明らかになった.地球の内核は金属鉄中に10wt.%ほどのニッケルが含まれていると考えられているが,この結果は地球の内核がhcp相だけでなく,fcc相も安定に存在する可能性を示唆するものである. 鉄ニッケル合金と鉄ニッケル水素化物の状態方程式:地球中心核の主要構成物質である鉄ニッケル合金(Fe-10wt.%Ni)と核の軽元素の有力な候補である水素と鉄ニッケル合金に関して,高圧力下での圧縮特性を室温下53GPaまで調べた結果,金属鉄と同様にdhcp構造の鉄ニッケル水素化物は磁気転移に関連していると考えられる圧縮曲線の異常を観測した.
|
Research Products
(2 results)
-
[Journal Article] Fe-Mg partitioning between (Mg,Fe)SiO3 post-perovskite, perovskite, and magnesiowustite2005
Author(s)
Y.Kobayashi, T.Kondo, E.Ohtani, N.Hirao, N.Miyajima, T.Yagi, T.Nagase, T.Kikegawa
-
Journal Title
Geophysical Review Letters 32
Pages: L19301
-