2005 Fiscal Year Annual Research Report
集束イオンビームによる3次元ナノテクノロジーと高機能立体ナノ構造デバイスの研究
Project/Area Number |
05J06724
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
米谷 玲皇 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | FIB-CVD / 高機能立体ナノ構造デバイス / ナノツール / ナノマニピュレータ / バイオナノツール / 単一オルガネラ操作・計測 / 細胞壁切断ツール / フィルタリングツール |
Research Abstract |
3次元構造の作製技術である集束イオンビームを用いた化学気相成長法(FIB-CVD)を主技術として、高機能立体ナノ構造デバイスを創出することが本研究の目的である。そこで本年度(平成17年度)は、高機能立体ナノ構造デバイスに関する研究として以下に記すような研究を行った。 1.高精度・高自由度ナノマニピュレータに関する研究 微小部品の組み立て等を自由に行うために、高機能立体ナノ構造デバイスとして高精度・高自由度を有するナノマニピュレータに関する研究を行った。タングステンプローブ上に3次元構造を有した静電反発力により駆動するナノマニピュレータをFIB-CVDにより作製し、その機能性を確認した。さらに作製した3-Dナノマニピュレータとピエゾ駆動のマニピュレータと接続する事で、FIB装置内に高精度・高自由度を有するナノマニピュレーションシステムを構築した。そして、ガラスで形成された外形約5μmの微小リングのマニピュレーションに成功した。この結果は、構築したナノマニピュレーションシステムが高い機能性を有したナノツールである事を示している。 2.単一オルガネラの操作・計測を目的としたバイオナノツールに関する研究 未知の生体現象の解明を目的とした単一オルガネラの計測を行うためには、選択的にオルガネラを一つだけ取り出すためのバイオツールが必要である。そこでまず、オルガネラを低侵襲で取り出すために細胞壁や細胞膜を選択的に切断する事を目的とした細胞壁切断ツールを作製した。そして、オオカナダモの細胞壁を選択的に切断し、その機能性を確認した。さらに、任意サイズのオルガネラを選択的に取り出すためのフィルタリングツールを作製し、オオカナダモの細胞の中から単一の葉緑体の捕獲に成功した。これら結果は、FIB-CVDにより作製したバイオナノツールを利用し、オルガネラの選択的な単一操作が可能な事を示している。
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Research Products
(4 results)