2007 Fiscal Year Annual Research Report
集束イオンビームによる3次元ナノテクノロジーと高機能立体ナノ構造デバイスの研究
Project/Area Number |
05J06724
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米谷 玲皇 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教
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Keywords | 集束イオンビーム / FIB-CVD / 立体ナノ構造 / 生体ナノ計測 / 単一細胞内計測 / ナノツール / DLC / 仕事関数 |
Research Abstract |
3次元構造の作製技術である集束イオンビームを用いた化学気相成長法(FIB-CVD)を主技術として、高機能立体ナノ構造デバイスを創出することが本研究の目的である。高機能立体ナノ構造デバイスに関する研究として、前年度に行ったマイクロカプセル内部の電子エミッタ形成材料の微細構造特性と電子放出特性の関係に関する研究を行った。マイクロカプセルを生体計測デバイスとして応用するためには、その基礎となる電子放出特性を明確にしておく必要があった。本研究により、DLCで形成された電子エミッタは、アニール処理を行うことにより、電子エミッタ表面にグラファイト成分が増加し仕事関数が減少することが明らかとなった。また、RBS/ERDAを用いて詳細な組成解析を行った結果、グラファイト成分増加の原因が、アニール処理によるDLC内部のH脱離によるものであることがわかった。さらに、前年度に研究開発をおこなった計測のためのバイオナノツールである生体ナノ計測電極の機能性改善に関する研究を行った。前年度は生体ナノ計測電極を、FIB-CVDのみを用いて試作したが、絶縁膜形成のために本年度はRFスパッタリングを作製プロセス内に導入し電気特性の改善を図った。さらに計測電極の構造を変更し計測電極としての安定化を行った。試作した生体ナノ計測電極の評価として、前年度と同様にオオカナダモの葉細胞の細胞内外のイオン勾配に起因する電位により生じる電流の計測実験を行った。結果として、作製した生体ナノ計測電極により、安定した生体計測が可能である事を確認した。本研究により得られた成果により、FIB-CVDにより作製した計測ツールを用いた単一オルガネラ計測の実現が期待できる。
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Research Products
(3 results)